約1ヶ月前にロンドンで発生した元ロシア人スパイアレクサンドル・リトビネンコ氏の変死事件。高価な放射性物質が殺害に用いられていることから事件への国家機関の関与が噂され、国際的な関心を集めている。
この事件のニュースを呼んでいて、ふと目に留まった記事があった。
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リトビネンコ氏は11月1日の朝、アンドレイ・ルゴボイ氏と元ソ連スパイ、そしてロシア人ビジネスマンのDmitry Kovtun氏と同ホテルバーでベンチャー企業について議論していた。リトビネンコ氏の友人のアレックス・ゴールドファーブ氏によると、リトビネンコ氏は会議中にジントニックをオーダーしており、紅茶をすすっていたという。その日の午後、リトビネンコ氏はイタリア人機密保護専門家のマリオ・スカラメラ氏とロンドンピカデリーにある寿司バーで食事をとっていたという。
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不謹慎かもしれないけれど、気になったのが「寿司バーで食事をとっていた」という記載。ロシア人が日常的にふと立ち寄るくらい、ロンドンには日本料理店、特に寿司屋が多かったことが思い出された。リトビネンコ氏が訪れた「ITSU(イツ)」は目抜き通りにありいつも賑わっていたし、その他行列が毎晩できる回転寿司屋まであった。
驚くべきことに、ロンドンではカフェでも寿司が販売されている。写真はロンドン出張中毎日朝食をとっていたカフェチェーン「EAT.」の寿司。蒸し海老、サーモン、手巻き寿司のセット、ちゃんとシャリは酢飯だし食べられないことはないけれど、もちろんお世辞にも美味しいとは言えない。そんな中4ポンド(= 1,000円)もするのに青い目をした外国人たちが横に並ぶサンドイッチに脇目も振らず寿司を買っていく光景は不思議なものだった。そもそもコーヒーと寿司って合うのだろうか。日本でスターバックスで寿司を一緒に買うなんて想像もできないし、取り合わせが悪くて想像したら気持ち悪い。
ロンドンっ子の間では「日本食」=「低カロリー」=「健康食」というイメージがあり、皆好んで買うらしい。確かにイングリッシュ・ブレックファストよりはずっとボリュームも軽いけれど、何だかなあ。
案外こんなところにビジネスチャンスが転がっていたりして。
ちょっと専門分野なので、しゃしゃりでさせていただきます!
そうそう、ロンドンでは日本食(寿司)を食べることは完全なるステータスとして特にセレブの間で広がっているのです。私はイギリスの事情にはいまいち詳しくないのだけれど、アメリカでもニューヨークはもちろん、ド田舎ミシガンだって、お昼に寿司ランチボックスみたいなものをサンドイッチがわりにむしゃむしゃ。よく見るとお寿司かなんなのかよくわからないのだけれど、あの強烈な違和感は鮮明に覚えています。(だってあまり日本人の学生でさえ買わないじゃない?お昼にお寿司なんて)。
日本食レストランの代表格はなんといってもNOBUでしょうが、近年はかなりいろいろなお店も出来ているみたいです。個人的にはもう少し味と安全性に進歩を希望しているけれど、寿司が世界を魅了しているのは確かのようです。
投稿情報: しょうこ | 2006-12-18 16:55
12月13日の日経一面春秋欄に海外のヘンな日本食に関連する記事が載っていました。webでは日経は見つけれなくて、産経のこんなのがありました。http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/31004/
投稿情報: かとりん | 2006-12-20 00:37
>しょうこ
お、専門家からのコメントありがとうございます。
日本人は昼に寿司はなかなか食べないのに、不思議だよな。
海外ではファーストフードの中の選択肢の一つみたいな・・・。
ロンドンのNOBUは俺も行ったよ。
なかなか美味しかった。
投稿情報: Shibuya | 2006-12-21 06:58
>かとりん
「正しい和食」の認定とはいかにも日本人らしい発想だと思います。
日本にある各国料理を現地政府からの認証を得る必要が生じたとすると、どれだけの不都合があるのか農水省は考えを巡らせたのでしょうか。
でもこうい議論が起こるのも、日本食がメジャーな地位を築きつつあることの表れでしょうね。
投稿情報: Shibuya | 2006-12-21 07:01
>日本にある各国料理を現地政府からの認証を得る必要
そういうことではなく、「和食本来の和食」「Authentic Jaspanese Food」はこんなものだ、という指針を示すという意図でしょう。世界に広がっていく過程で、皆さんのお好きなようにアレンジなさるのはそれはそれでいいとして、「本場ものはこうですよ」と主張するのもいいことではないでしょうか?
投稿情報: かとりん | 2006-12-21 11:20
>「本場ものはこうですよ」と主張するのもいいことではないでしょうか?
これに何の意味があるのでしょうか。
本場のお墨付きがあるものに価値を見出す人間が多数いることは否定できませんが、その役割を農林水産省のような公的機関が担うことには違和感を覚えざるをえません。
「和食本来の和食」というものも常に変化しつづけるものであり、判断軸が曖昧です。
投稿情報: Shibuya | 2006-12-21 12:38